はじめに
GIMPは強力な画像編集ソフトウェアですが、Pythonスクリプトを使用することで、その機能をさらに拡張できます。本記事では、GIMPのPythonスクリプトを使って、カスタムメッセージを含む画像を自動生成する方法を解説します。
このガイドは、プログラミング初心者でも理解できるよう、ステップバイステップで説明していきます。
デモ動画
ComfyUIとGIMPを連携させるための下準備①
— Maki@Sunwood AI Labs. (@hAru_mAki_ch) July 18, 2024
まずはGIMPをPythonスクリプトを実行して文字を入れる簡単な操作してみた!
これは面白い!! https://t.co/fEneI9S1LX pic.twitter.com/B9ft4zp0BX
GIMPとPythonスクリプトの基礎
GIMPでPythonスクリプトを使用すると、画像処理を自動化できます。以下は、GIMPとPythonスクリプトの関係を示す簡単な図です。
- GIMP : 画像編集ソフトウェア
- Python-Fu : GIMPとPythonを繋ぐインターフェース
- Pythonスクリプト : 自動化のための命令セット
- 自動化された画像処理 : スクリプトによる画像操作
- 生成された画像 : 処理結果の出力
スクリプトの全体構造
まず、スクリプト全体の構造を理解しましょう。
- ライブラリのインポート : 必要な機能を読み込みます。
- main関数の定義 : 主要な処理を行う関数を定義します。
- キャンバス作成 : 新しい画像を作成します。
- テキスト追加 : メッセージをキャンバスに追加します。
- 画像保存 : 生成した画像を保存します。
- スクリプト登録 : GIMPのメニューにスクリプトを登録します。
それでは、各部分を詳しく見ていきましょう。
キャンバスの作成
まず、新しいキャンバスを作成します。
width = 1000
height = 600
bg_color = (255, 255, 255) # 白色
image = gimp.Image(width, height, RGB)
background = gimp.Layer(image, "Background", width, height, RGB_IMAGE, 100, NORMAL_MODE)
image.add_layer(background, 0)
gimp.set_background(bg_color)
background.fill(BACKGROUND_FILL)
このコードは以下のことを行っています:
- キャンバスのサイズ(幅1000px、高さ600px)を設定
- 背景色を白に設定
- 新しい画像を作成
- 背景レイヤーを追加
- 背景を白で塗りつぶす
テキストの追加
次に、キャンバスにテキストを追加します。
message = "!! Hello from GIMP Python !!"
font_size = 50
font_color = (255, 0, 0) # 赤色
gimp.set_foreground(font_color)
text_layer = pdb.gimp_text_layer_new(image, message, "BIZ UDMincho Medium", font_size, 0)
image.add_layer(text_layer, 0)
pdb.gimp_text_layer_set_justification(text_layer, 2) # CENTER_JUSTIFY
text_layer.set_offsets(
(width - text_layer.width) // 2,
(height - text_layer.height) // 2
)
このコードの流れは以下のとおりです:
- メッセージ、フォントサイズ、色を設定
- テキストレイヤーを作成
- テキストを中央揃えに設定
- テキストをキャンバスの中央に配置
画像の保存
生成した画像を保存します。
output_dir = gimp.directory
filename = "generated_message0.png"
fullpath = os.path.join(output_dir, filename)
merged_layer = pdb.gimp_image_merge_visible_layers(image, CLIP_TO_IMAGE)
pdb.file_png_save(image, merged_layer, fullpath, filename, 0, 9, 0, 0, 0, 0, 0)
gimp.message("Image saved to: " + fullpath)
保存プロセスは以下のとおりです:
- 保存先ディレクトリとファイル名を設定
- レイヤーを結合
- PNG形式で保存
- 保存場所をメッセージで表示
スクリプトの登録と実行
最後に、スクリプトをGIMPに登録します。
register(
"python_fu_create_canvas_with_message0",
"Create new canvas with message and save",
"Creates a new canvas, adds a predefined message to it, and saves the image",
"am(author)",
"am(copyright)",
"2024/07/18",
"Canvas with Message (Save)",
"",
[],
[],
plugin_main,
menu="<Image>/File/Create/"
)
main()
この部分で以下のことを行っています:
- スクリプトの名前と説明を設定
- 著作権情報を追加
- GIMPのメニューにスクリプトを登録
- スクリプトのメイン関数を指定
全体コード
#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-
from gimpfu import *
import os
def plugin_main():
# キャンバスのサイズと色を定義
width = 1000
height = 600
bg_color = (255, 255, 255) # 白色
# スクリプト内で定義されたメッセージ
message = "!! Hello from GIMP Python !!"
font_size = 50
font_color = (255, 0, 0) # 赤色
# 新しい画像を作成
image = gimp.Image(width, height, RGB)
# 背景レイヤーを追加
background = gimp.Layer(image, "Background", width, height, RGB_IMAGE, 100, NORMAL_MODE)
image.add_layer(background, 0)
# 背景色で塗りつぶす
gimp.set_background(bg_color)
background.fill(BACKGROUND_FILL)
# 現在のフォアグラウンドカラーを保存
old_fg = gimp.get_foreground()
# フォアグラウンドカラーを設定
gimp.set_foreground(font_color)
# 新しいテキストレイヤーを作成
text_layer = pdb.gimp_text_layer_new(image, message, "BIZ UDMincho Medium", font_size, 0)
# テキストレイヤーを画像に追加
image.add_layer(text_layer, 0)
# テキストレイヤーを画像の中央に配置
pdb.gimp_text_layer_set_justification(text_layer, 2) # CENTER_JUSTIFY
text_layer.set_offsets(
(width - text_layer.width) // 2,
(height - text_layer.height) // 2
)
# フォアグラウンドカラーを元に戻す
gimp.set_foreground(old_fg)
# 画像を保存
output_dir = gimp.directory # GIMPのデフォルトディレクトリ
filename = "generated_message0.png"
fullpath = os.path.join(output_dir, filename)
# レイヤーを結合
merged_layer = pdb.gimp_image_merge_visible_layers(image, CLIP_TO_IMAGE)
# 画像を保存
pdb.file_png_save(image, merged_layer, fullpath, filename, 0, 9, 0, 0, 0, 0, 0)
# 保存場所をコンソールに出力
gimp.message("Image saved to: " + fullpath)
# 新しい画像を表示(CLIモードでは表示されません)
gimp.Display(image)
# 画像を更新
gimp.displays_flush()
register(
"python_fu_create_canvas_with_message0",
"Create new canvas with message and save",
"Creates a new canvas, adds a predefined message to it, and saves the image",
"am(author)",
"am(copyright)",
"2024/07/18",
"Canvas with Message (Save)",
"",
[],
[],
plugin_main,
menu="<Image>/File/Create/"
)
main()
まとめ
このPythonスクリプトを使用することで、GIMPで以下の操作を自動化できます:
- 新しいキャンバスの作成
- カスタムメッセージの追加
- 画像の保存
初心者の方でも、このガイドを参考にしながらスクリプトを理解し、自分のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。GIMPとPythonの組み合わせは、画像処理の可能性を大きく広げてくれます。
スクリプトを修正して、異なるサイズ、色、フォント、メッセージを試してみてください。GIMPのPythonスクリプティングの世界を探索し、あなたの創造性を解き放ちましょう!
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