はじめに
この記事では、Google ColabとWhisperというツールを使って、無料で高品質な文字起こし(音声からテキストへの変換)を行う方法をご紹介します。特に、コーディングが初めての方でも簡単にできるステップを解説します。
Google Colabとは
Google Colaboratory(通称:Google Colab)は、Googleが提供するクラウドベースのJupyterノートブック環境です。Jupyterノートブックは、コード、テキスト、画像などを1つの文書にまとめることができるツールで、特にデータ分析や機械学習などの分野でよく使用されます。
Google Colabの主な特徴:
- 無料で使える : 基本的な機能は無料で誰でも使うことができます。
- GPUサポート : グラフィックプロセッシングユニット(GPU)を無料で使用でき、計算処理が高速化されます。
- 簡単に共有 : Googleドライブと連携しているため、他の人と簡単にノートブックを共有できます。
- Pythonライブラリが豊富 : 多くのPythonライブラリがプリインストールされているため、すぐに作業を始めることができます。
- インタラクティブ : コードを書いてすぐに実行し、結果を確認することができます。
基本的な使い方:
- ノートブックを開く : Google Colabのウェブサイトにアクセスして、新しいノートブックを開くか、既存のノートブックを開きます。
- セルにコードを書く : ノートブックはいくつかの「セル」と呼ばれる部分に分かれています。セルにはコードを書くことも、テキストを書くこともできます。
- コードを実行 : コードを書いたら、そのセルを選択して実行します。実行した結果がセルの下に表示されます。
- 保存と共有 : 作成したノートブックはGoogleドライブに保存され、リンクを通じて他の人と簡単に共有できます。
- GPUを使う : 特に計算が重い処理をする場合は、設定からGPUを有効にすることで計算速度を向上させることができます。
Google Colabは特にデータサイエンスや機械学習の初心者にとって、環境設定なしにすぐに始められる非常に便利なツールです。
Whisperとは
WhisperはOpenAIによって開発された音声認識モデルです。このモデルは特に「文字起こし」—つまり、音声をテキスト形式に変換する—に優れています。
Whisperの主な特徴:
- 高い精度 : 68万時間分の多言語音声データを用いて訓練されており、非常に高い精度で音声をテキストに変換できます。
- 多言語対応 : 日本語を含む多くの言語に対応しており、特に日本語の文字起こし精度も高いとされています。
- モデルサイズ : 精度をさらに高めるために、いくつかの異なる「サイズ」のモデルが提供されています。
- API対応 : Whisper APIを使用することで、自分自身のアプリケーションやサービスに組み込むことができます。
用途:
- ニュース原稿の音声からテキストを生成
- 生活騒音がある環境でも効果的
- ビジネスや研究での高精度な文字起こしが必要な場合
簡単に言えば、Whisperは音声をテキストに変換する高性能なツールです。日本語でも非常に高い精度で動作するため、日本の企業や研究者にも有用です
ステップ1: Google Colabのセットアップ
コード
from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')
解説
- このコードはGoogle ColabでGoogle Driveをマウントするためのものです。
ステップ2: Whisperのインストール
コード
# 外部リンクはこの環境では動作しないため、コメントアウトします
!pip install git+https://github.com/openai/[Whisper](https://openai.com/research/whisper).git
解説
- このコードでWhisperという音声認識ライブラリをインストールします。
!pip install
コマンドでPythonパッケージをインストールすることができます。---
ステップ3: Whisperのセットアップ
コード
# [Whisper](https://openai.com/research/whisper)ライブラリをインポートしてモデルをロード
import Whisper
model = Whisper.load_model("large")
解説
import Whisper
でWhisperライブラリをインポートします。Whisper.load_model("large")
で、"large"という名前のモデルをロードします。---
ステップ4: 音声ファイルのロード
コード
# 音声ファイルをロードしてテキストに変換
fileName = "/content/drive/MyDrive/Wis/2023-09-04 17-13-06.mp4"
lang = "ja"
解説
fileName
には音声ファイルのパスを指定します。lang = "ja"
で言語を日本語に設定します。---
ステップ5: テキストの保存
コード
# テキストをファイルに保存
with open(f"{fileName}.txt", "w") as f:
f.write(f"▼ Transcription of {fileName}\\n")
解説
with open(f"{fileName}.txt", "w") as f:
で、テキストを保存する新しいファイルを作成します。f.write(f"▼ Transcription of {fileName}\\n")
で、音声ファイルから変換したテキストをファイルに書き込みます。---
この5ステップを経ることで、Google ColabとWhisperを使用して無料で高品質な文字起こしを行うことができます。初心者の方でも簡単に実行できると思いますので、ぜひ試してみてください。
配布ノートブック
解説動画
@maki.sunwood.ai.labs この記事では、Google ColabとWhisperというツールを使って、無料で高品質な文字起こし(音声からテキストへの変換)を行う方法をご紹介します。 特に、コーディングが初めての方でも簡単にできるステップを解説します。 Google Colabで実行できるノートブックはホームページから配布しています。 #文字起こし #Whisper #動画配信 #GoogleColab #AI #人工知能 #便利
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