はじめに
前回の記事では、Roo-Clineを使って自然言語指示だけでMCPサーバーを作成・デプロイする方法をご紹介しました。今回は、その続編として既存のMCPサーバーを設定し、さらにリファクタリングを行う方法をご紹介します。
実際のプロジェクトでは、新規開発だけでなく、既存のコードベースのメンテナンスやリファクタリングも重要な作業です。Roo-Clineは、このような作業もスムーズにサポートしてくれます。
実装の流れ
roo-clineでMCPサーバーをフルオートで作ってみる②
開発用にgithubのMCPをクローンしてきて、そこからの設定をお願いしたら普通にやってくれた。。。ホントにMCP系はトンデモナイな。。。 https://t.co/usIFrSO9jA pic.twitter.com/HBVUWtLGeM— Maki@Sunwood AI Labs. (@hAru_mAki_ch) December 15, 2024
1. プロジェクトのクローンと初期設定
まず、既存のMCPサーバーをクローンします:
git clone https://github.com/sunwood-ai-labs/source-sage-mcp-server.git
Roo-Clineは、このコマンドの実行後、自動的に以下の作業を行いました:
- 依存関係のインストール(
npm install
) - TypeScriptのビルド
- MCP設定ファイルの生成
2. MCP設定ファイルの自動生成
Roo-Clineは、cline_mcp_settings.json
を以下のように自動生成しました:
{
"mcpServers": {
"source-sage": {
"command": "node",
"args": ["C:/Users/makim/Documents/Cline/MCP/source-sage-mcp-server/build/index.js"],
"disabled": false,
"alwaysAllow": []
}
}
}
この設定により:
- サーバーの実行コマンドとパスが適切に設定
- セキュリティ設定が適切に構成
- 自動実行の設定が最適化
3. コードのリファクタリング
次に、MCPサーバーのコードベースに対して以下のリファクタリングを実施しました:
モジュール構造の最適化
src/
├── types/ # 型定義の集約
├── utils/ # 共通ユーティリティ
├── services/ # ビジネスロジック
├── server/ # MCPサーバー実装
└── index.ts # エントリーポイント
デフォルト設定の改善
// file-utils.ts
export const getDefaultIgnorePatterns = (): string[] => {
return [
'.git',
'node_modules',
'package-lock.json', // 追加
'__pycache__',
'*.pyc',
'.DS_Store',
'.SourceSageAssets'
];
};
パス指定方式の改善
// 変更前: 相対パスでの指定
path: './your-project'
// 変更後: 絶対パスでの指定
path: 'C:/Users/your-name/path/to/your-project'
Roo-Clineの処理フロー解説
今回のタスクでは、Roo-Clineは以下のような流れで処理を実行しました:
-
プロジェクト分析
- リポジトリのクローンと構造解析
- 必要な依存関係の特定
- 最適化可能な箇所の特定
-
環境設定の自動化
- 依存関係のインストール
- ビルドプロセスの実行
- 設定ファイルの生成
-
コードリファクタリング
- モジュール構造の最適化
- 設定値の改善
- パス指定方式の標準化
-
検証とテスト
- 設定の整合性チェック
- 機能テストの実行
- エラーハンドリングの確認
リファクタリングの成果
リファクタリングにより、以下の改善が実現されました:
-
コードの保守性向上
- 責務の明確な分離
- モジュール間の依存関係の整理
- テストのしやすさの向上
-
使用性の改善
- 絶対パスによる安定した動作
- デフォルト除外設定の最適化
- エラーハンドリングの強化
-
開発効率の向上
- 設定ファイルの標準化
- 実行環境の一貫性確保
- トラブルシューティングの容易さ
まとめ
今回の事例では、Roo-Clineを使用することで、以下の作業を効率的に実行できることが確認できました:
- 既存MCPサーバーの設定自動化
- コードベースの自動リファクタリング
- デフォルト設定の最適化
特筆すべきは、これらの作業がすべて自然言語での指示だけで実現できた点です。Roo-Clineの自動化機能により、開発者はより本質的な開発作業に集中できるようになります。
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