はじめに
MCPのファイルシステム環境を刷新するという大がかりなタスクに、Roo-clineとDeepSeek V3を使って挑戦してみました。大量のトークン(471.8k入力 + 5.4k出力)を消費したにもかかわらず、なんとトータルコストは$0.0081(約1.27円)!駄菓子よりも安いんです!しかも、パフォーマンスはClaude 3.5 Sonnetと遜色ありませんでした。
DeepSeek V3 使って filesystem環境を刷新した!
だいぶ手こずってトークン数消費したけど。。。なんと。。。$0.0081(1.27円)
駄菓子より安い!!このコスパマジで嬉しい!!!
ちなみに今のところはマジでSonnet 3.5 と使い心地は変わりません!!!! https://t.co/eYzc7ygznC pic.twitter.com/zqilA5Lxg9— Maki@Sunwood AI Labs. (@hAru_mAki_ch) January 2, 2025
DeepSeek V3とは?
2024年12月にリリースされたDeepSeek V3は、AI業界に大きな革新をもたらした最新モデルです。主な特徴は:
- 671B MoEパラメータ(有効活性化パラメータ37B)
- 14.8Tの高品質トークンでトレーニング
- 処理速度は前バージョンの3倍(60トークン/秒)
- 完全オープンソース(モデルとペーパーを公開)
- 驚異的なコストパフォーマンス
料金体系(2025年2月8日まで割引価格)
- 入力(キャッシュミス):$0.14/1M トークン
- 入力(キャッシュヒット):$0.014/1M トークン
- 出力:$0.28/1M トークン
実際のタスク内容と結果
タスクの概要
- MCPサーバーのリポジトリをクローン
- filesystemディレクトリのindex.tsをビルド
- Roo-clineとClaude Desktopの両方に登録
- 設定ファイルの修正と最適化
実際の処理手順
-
環境セットアップ
cd C:/Users/makim/Documents/Cline/MCP/servers/src/filesystem npm install && npm run build
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ビルド後の設定修正
- distディレクトリへのパス更新
- argsの順序修正(-yオプションの配置修正)
- 両方のクライアントの設定ファイル更新
エラー対応例
エラー:Error accessing directory -y
原因:argsの順序が不適切
解決:-yオプションの位置を@modelcontextprotocol/server-filesystemの後に移動
コスト分析
実際の使用トークン数:
- 入力:471.8k トークン
- 出力:5.4k トークン
合計コスト:$0.0081(約1.27円)
これは驚異的なコストパフォーマンスです!例えば:
- うまい棒(10円)より安い
- ガムの1/10以下のコスト
- 1分の作業時間の人件費よりも安価
Claude 3.5 Sonnetとの比較
実際の使用感では、以下の点でSonnetと同等のパフォーマンスを発揮:
- TypeScriptのビルド処理の理解
- 設定ファイルの適切な修正
- エラー解析と解決策の提示
- MCPプロトコルの理解と実装
DeepSeek V3の強み
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高度な言語理解
- 複雑なTypeScriptコードの解析
- ビルドエラーの的確な診断
- 設定ファイルの構文理解
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問題解決能力
- エラーの根本原因の特定
- 最適な解決策の提示
- 段階的な問題解決アプローチ
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コスト効率
- 大量のトークン処理でも低コスト
- キャッシュ機能による最適化
- 高速な処理速度
まとめ
DeepSeek V3は、その驚異的なコストパフォーマンスと高い性能で、大規模な開発タスクでも実用的な選択肢となることが実証できました:
- 複雑なMCP環境の構築を完遂
- エラー対応も的確に実施
- 驚異的な低コストを実現
- Claude 3.5 Sonnet相当の性能
開発プロジェクトにおいて、DeepSeek V3は「高性能・低コスト」という理想的な選択肢となりそうです。
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