Jetson Nano:SDカードからSSDへの起動方法変更ガイド

チュートリアル

はじめに

こんにちは!この記事では、Jetson NanoのブートドライブをSDカードからSSDに変更する方法を詳しく解説します。SSDを使用することで、システムの起動速度や全体的なパフォーマンスが大幅に向上します。特に、AIや機械学習の開発において、この変更は大きな違いをもたらすでしょう。

準備するもの

作業を始める前に、以下のものを準備してください:

  1. Jetson Nano 開発キット
  2. USB 3.0対応のSSD(最低120GB、できれば240GB以上推奨)
  3. USB 3.0ケーブル(SSDとJetson Nanoを接続するため)
  4. SDカード(現在使用中のもの)
  5. コンピュータ(SSDにイメージを書き込むため)

JetPack 4.5以降の利点

NVIDIA JetPack 4.5以降のバージョンでは、USBドライブからの起動機能が標準で実装されました。これにより、以前よりもSSDからの起動設定が格段に簡単になりました。

JetPack 4.5の新機能

Jetson Nanoの構成確認

Jetson Nanoには複数のUSBポートがありますが、USBブートに対応しているのは特定のポートのみです。以下の図を参考に、正しいポートを使用してください。

Jetson Nano USB Boot対応ポート

SSDにBoot Imageを書き込む

  1. Jetson Nanoの公式サイトから最新のJetson Nanoイメージをダウンロードします。
  2. イメージ書き込みソフトウェア(例:Etcher)をダウンロードしインストールします。
  3. Etcherを起動し、ダウンロードしたイメージファイルを選択します。
  4. 書き込み先としてSSDを選択します(間違えないよう注意してください)。
  5. 「Flash!」ボタンをクリックして書き込みを開始します。

Etcherでの書き込み例

SSDの起動設定

SSDにイメージを書き込んだら、次はJetson Nanoに接続して起動設定を行います。

  1. SSDをJetson Nanoの適切なUSBポートに接続します。
  2. Jetson Nanoを起動し、ターミナルを開きます。
  3. 以下のコマンドでSSDが認識されているか確認します:
lsblk
  1. SSDをマウントします:
sudo mount /dev/sda1 /mnt
  1. 起動設定ファイルを編集します:
cd /mnt/boot/extlinux/
sudo emacs extlinux.conf
  1. extlinux.confファイル内の以下の行を探し、変更します:

変更前:

APPEND ${cbootargs} quiet root=/dev/mmcblk0p1 ...

変更後:

APPEND ${cbootargs} quiet root=/dev/sda1 ...
  1. 変更を保存し、エディタを終了します。

SSDから起動する

  1. Jetson Nanoをシャットダウンします。
  2. SDカードを取り外します。
  3. Jetson Nanoの電源を入れます。

これで、Jetson NanoがSSDから起動するはずです。

SSDからの起動成功画面

トラブルシューティング

SSDからの起動に問題がある場合は、以下を確認してください:

  • SSDが正しいUSBポートに接続されているか
  • extlinux.confファイルが正しく編集されているか
  • SSDのパーティションが正しく設定されているか
  • Jetson Nanoのファームウェアが最新か

おわりに

以上で、Jetson NanoのブートドライブをSDカードからSSDに変更する手順は完了です。SSDを使用することで、システムの応答性が大幅に向上し、より快適な開発環境が得られるはずです。

以上で、Jetson NanoのSDカードからSSDへの起動方法変更ガイドを終わります。この情報が、皆さまのJetson Nano活用の一助となれば幸いです。

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