OAuth 2.0認証を使用するWebアプリケーションでは、アクセストークンの有効期限が切れた場合に、リフレッシュトークンを使用して新しいアクセストークンを取得する必要があります。本記事では、Pythonを使用してリフレッシュトークンを使用したアクセストークンの更新方法について解説します。
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リフレッシュトークンとは
リフレッシュトークンは、アクセストークンの有効期限が切れた後に、新しいアクセストークンを取得するために使用される特別なトークンです。リフレッシュトークンは、通常、アクセストークンよりも長い有効期限を持ち、アクセストークンを更新するために必要な権限を持っています。
アクセストークンの更新手順
アクセストークンを更新するための一般的な手順は以下の通りです。
- リフレッシュトークンを使用して、認証サーバーに新しいアクセストークンを要求します。
- 認証サーバーは、リフレッシュトークンの有効性を検証し、新しいアクセストークンを発行します。
- 新しいアクセストークンを使用して、保護されたリソースにアクセスします。
Pythonでのアクセストークンの更新
Pythonを使用してアクセストークンを更新する場合、requests
ライブラリを使用すると便利です。以下は、リフレッシュトークンを使用してアクセストークンを更新するPythonコードの例です。
def refresh_access_token(config):
"""アクセストークンを更新する"""
url = "https://api.example.com/oauth2/token"
data = {
"grant_type": "refresh_token",
"refresh_token": config["refresh_token"],
}
headers = {
"Authorization": "Basic " + config["client_id"] + ":" + config["client_secret"],
"Content-Type": "application/x-www-form-urlencoded",
}
response = requests.post(url, data=data, headers=headers)
data = response.json()
if "errors" in data:
print(f"アクセストークンの更新に失敗しました: {data['errors'][0]['message']}")
return False
config["access_token"] = data["access_token"]
config["refresh_token"] = data["refresh_token"]
save_config(config)
return True
この関数では、以下の処理を行っています。
- 認証サーバーのURLを指定します。
- リフレッシュトークンとグラントタイプを含むPOSTリクエストのデータを準備します。
- クライアントIDとクライアントシークレットを使用して、認証ヘッダを作成します。
requests.post
を使用して、認証サーバーにPOSTリクエストを送信します。- レスポンスからアクセストークンとリフレッシュトークンを取得し、設定ファイルに保存します。
アクセストークンの有効期限のチェック
アクセストークンの有効期限をチェックし、期限が切れている場合に自動的に更新するには、以下のようなコードを使用します。
def is_token_expired(response_data):
"""アクセストークンの有効期限が切れているかチェックする"""
if "errors" in response_data:
for error in response_data["errors"]:
if error.get("errorType") == "expired_token":
print("アクセストークンの有効期限が切れています。")
return True
return False
def make_api_request(url, headers):
"""APIリクエストを実行する"""
response = requests.get(url, headers=headers)
data = response.json()
if is_token_expired(data):
config = load_config()
if refresh_access_token(config):
headers = create_auth_header(config["access_token"])
response = requests.get(url, headers=headers)
else:
print("アクセストークンの更新に失敗したため、リクエストを中止します。")
exit(1)
return response
is_token_expired
関数では、APIレスポンスのエラー情報をチェックし、アクセストークンの有効期限が切れているかどうかを判断します。
make_api_request
関数では、APIリクエストを実行し、アクセストークンの有効期限が切れている場合には、refresh_access_token
関数を使用して新しいアクセストークンを取得します。その後、新しいアクセストークンを使用して再度APIリクエストを実行します。
全体コード
import requests
import json
# 設定ファイルのパス
CONFIG_FILE = "token.json"
def load_config():
"""設定ファイルを読み込む"""
try:
with open(CONFIG_FILE, "r", encoding="utf-8") as f:
return json.load(f)
except FileNotFoundError:
print(f"設定ファイル {CONFIG_FILE} が見つかりません。")
exit(1)
def save_config(config):
"""設定ファイルを保存する"""
with open(CONFIG_FILE, "w", encoding="utf-8") as f:
json.dump(config, f, indent=2)
def create_auth_header(access_token):
"""認証用のヘッダを作成する"""
return {"Authorization": "Bearer " + access_token}
def refresh_access_token(config):
"""アクセストークンを更新する"""
url = "https://api.fitbit.com/oauth2/token"
data = {
"grant_type": "refresh_token",
"refresh_token": config["refresh_token"],
}
headers = {
"Authorization": "Basic " + config["client_id"] + ":" + config["client_secret"],
"Content-Type": "application/x-www-form-urlencoded",
}
response = requests.post(url, data=data, headers=headers)
data = response.json()
if "errors" in data:
print(f"アクセストークンの更新に失敗しました: {data['errors'][0]['message']}")
return False
config["access_token"] = data["access_token"]
config["refresh_token"] = data["refresh_token"]
save_config(config)
return True
def is_token_expired(response_data):
"""アクセストークンの有効期限が切れているかチェックする"""
if "errors" in response_data:
for error in response_data["errors"]:
if error.get("errorType") == "expired_token":
print("アクセストークンの有効期限が切れています。")
return True
return False
def make_api_request(url, headers):
"""APIリクエストを実行する"""
response = requests.get(url, headers=headers)
data = response.json()
if is_token_expired(data):
config = load_config()
if refresh_access_token(config):
headers = create_auth_header(config["access_token"])
response = requests.get(url, headers=headers)
else:
print("アクセストークンの更新に失敗したため、リクエストを中止します。")
exit(1)
return response
def get_heart_rate(date="today", period="1d"):
"""心拍数データを取得する"""
url = f"https://api.fitbit.com/1/user/-/activities/heart/date/{date}/{period}.json"
config = load_config()
headers = create_auth_header(config["access_token"])
return make_api_request(url, headers)
if __name__ == "__main__":
response = get_heart_rate(date="2024-03-09")
data = response.json()
# print(json.dumps(data, indent=2))
print(data["activities-heart-intraday"]["dataset"][0])
まとめ
本記事では、リフレッシュトークンを使用したアクセストークンの更新方法について解説しました。Pythonのrequests
ライブラリを使用することで、簡単にアクセストークンを更新することができます。また、アクセストークンの有効期限をチェックし、期限が切れている場合に自動的に更新する方法についても紹介しました。
OAuth 2.0認証を使用するWebアプリケーションを開発する際には、アクセストークンの更新処理を適切に実装することが重要です。本記事で紹介した手法を参考に、安全で効率的なアクセストークンの更新処理を実装してください。
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