はじめに
前回の記事では、VMwareを使用している方で、LinuxゲストOSとホストOS間でフォルダを共有する方法を説明しました。
今回は、LinuxゲストOSで起動時にOpenVPNを自動的に接続する方法をご紹介します。
OpenVPNは、オープンソースのVPNソフトウェアで、セキュアな通信を提供します。クライアント設定ファイル(.ovpnファイル)を使用して、VPNサーバーに接続することができます。しかし、毎回手動で接続するのは面倒ですよね。そこで、systemdサービスを使用して、起動時に自動的に接続する方法を説明します。
デモ動画
無事にOpenVPNで自動接続することができました! https://t.co/JAGN5Tfh7H pic.twitter.com/eDQKd8S23x
— Maki@Sunwood AI Labs. (@hAru_mAki_ch) June 16, 2024
前提条件
この記事を理解するために、以下の前提条件があります。
- VMwareをインストールし、LinuxゲストOSを実行していること
- Linuxの基本的なコマンドラインの知識があること
- OpenVPNクライアント設定ファイル(.ovpnファイル)が用意されていること
手順
ステップ1: サービスファイルの作成
まず、/etc/systemd/system/
ディレクトリに新しい .service
ファイルを作成します。ファイル名は任意ですが、ここでは openvpn-client.service
とします。
以下のコマンドを実行して、ファイルを作成し、編集モードに入ります。
sudo nano /etc/systemd/system/openvpn-client.service
ステップ2: サービスファイルの編集
.service
ファイルを開いたら、以下の内容を記述します。
[Unit]
Description=OpenVPN Client
After=network.target
[Service]
Type=simple
ExecStart=/usr/sbin/openvpn --config /home/maki/Documents/lab_MakiMakiAi.ovpn
Restart=always
RestartSec=3
[Install]
WantedBy=multi-user.target
ここで、各セクションの意味を説明します。
[Unit]
: サービスの説明と依存関係を記述します。After=network.target
: ネットワークサービスの起動後に開始することを指定します。
[Service]
: サービスの実行コマンドと種類を指定します。Type=simple
: フォアグラウンドで実行されるサービスであることを示します。ExecStart
: サービス開始時に実行されるコマンドを指定します。ここでは、openvpn
コマンドを使用して、指定された設定ファイルでVPN接続を確立します。--config
: 使用する設定ファイルのパスを指定します。適切なパスに変更してください。Restart=always
: サービスが停止した場合、常に再起動することを指定します。RestartSec=3
: 再起動する前に3秒間待機することを指定します。
[Install]
: サービスを有効化するためのターゲットを指定します。
編集が終わったら、Ctrl+X
、Y
、Enter
の順に押して、ファイルを保存して閉じます。
ステップ3: systemdの再読み込み
新しいサービスファイルを作成したら、systemdを再読み込みする必要があります。以下のコマンドを実行します。
sudo systemctl daemon-reload
これにより、systemdが新しいサービスファイルを認識します。
ステップ4: サービスの有効化と起動
最後に、サービスを有効化し、起動時に自動的に開始するように設定します。以下のコマンドを実行します。
sudo systemctl enable openvpn-client.service
これで、LinuxゲストOSが起動するたびに、指定されたOpenVPN設定ファイルを使用してVPN接続が自動的に確立されるようになります。
追加のヒント
- サービスを手動で開始、停止、または再起動するには、以下のコマンドを使用します。
sudo systemctl start openvpn-client.service
sudo systemctl stop openvpn-client.service
sudo systemctl restart openvpn-client.service
- 別の設定ファイルを使用したい場合は、
.service
ファイルのExecStart
行で--config
オプションの値を変更してください。
まとめ
この記事では、VMwareを使用しているLinuxゲストOSで、起動時にOpenVPNを自動的に接続する方法を説明しました。
手順をまとめると、以下のようになります。
/etc/systemd/system/
ディレクトリに新しい.service
ファイルを作成する。.service
ファイルにサービスの設定を記述する。- systemdを再読み込みする。
- サービスを有効化し、起動時に自動的に開始するように設定する。
これで、LinuxゲストOSの起動時に、指定されたOpenVPN設定ファイルを使用してVPN接続が自動的に確立されるようになります。セキュアなネットワーク環境を簡単に構築できるので、是非試してみてください!
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