【🐝 Agency Swarm】 Genesis Agencyを使ったAIエージェンシーの自動構築と実装

Web開発

Agency Swarmのユニークな機能の1つであるGenesis Agencyを使用することで、AIエージェンシーの構造を自然言語での指示だけで自動的に定義・構築できます。本記事では、Web開発エージェンシーを例に、Genesis Agencyを使った実践的なAIエージェンシーの構築方法を解説します。

⚠️ 重要な注意点
Genesis Agencyで生成されるコードは基本的な実装のみを提供します。実際の運用には、エラーハンドリングの強化やセキュリティ対策など、追加の実装が必要です。本記事では、Genesis Agencyで生成したコードをRoo-Codeを使用して改善・拡張した実装例を紹介します。

プロジェクト概要

今回構築するのは、以下の4つの専門エージェントで構成されるWeb開発エージェンシーです:

  • Project Manager (PM): クライアントコミュニケーションとプロジェクト管理
  • Frontend Developer: ユーザーインターフェース実装
  • Backend Developer: サーバーサイド機能実装
  • UI Designer: デザインとプロトタイピング

各エージェントはGitHub APIを活用して、コードやデザインファイルの管理、進捗トラッキングを行います。

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Genesis Agencyによるエージェンシー定義

2.1 基本セットアップ

まず、Genesis Agencyのインスタンスを作成します:

from agency_swarm.agency.genesis import GenesisAgency
agency = GenesisAgency(with_browsing=False)
demo = agency.demo_gradio(height=900)

2.2 エージェンシー要件の定義

Genesis Agencyに対して、必要なエージェントとその役割を自然言語で指示します:

以下の構成でWebサイト制作を行うエージェンシーを作成してください:
- プロジェクトマネージャー(クライアントとの窓口)
- フロントエンドデベロッパー
- バックエンドデベロッパー
- UIデザイナー
GitHubのAPIとの連携も必要です。

生成されたエージェンシー構造

3.1 エージェンシーマニフェスト

WebDevAgencyは、クライアントのニーズに応じた高品質なWebサイトを制作することを目指します。プロジェクトマネージャーを中心に、フロントエンドデベロッパー、バックエンドデベロッパー、UIデザイナーが協力して、効率的かつ効果的にプロジェクトを進行します。また、GitHub APIを活用して、コードのバージョン管理やコラボレーションを円滑に行います。

3.2 コミュニケーションフロー

agency = Agency([
    pm,  # プロジェクトマネージャーがユーザーとの窓口
    [pm, frontend],  # PMとフロントエンド開発者の連携
    [pm, backend],   # PMとバックエンド開発者の連携
    [pm, designer],  # PMとUIデザイナーの連携
    [frontend, backend],  # フロントエンドとバックエンドの連携
    [frontend, designer], # フロントエンドとデザイナーの連携
])

Roo-Codeによる改善と拡張

Genesis Agencyで生成されたコードには以下の課題がありました:

  1. エラーハンドリングが基本的
  2. GitHub APIのレート制限への対応が不十分
  3. 認証情報の管理が単純
  4. ファイルの同時編集のロック機能がない

これらの課題に対して、Roo-Codeを使用して以下の改善を行いました:

4.1 エラーハンドリングの強化

def handle_github_error(response):
    if response.status_code == 403:
        remaining = response.headers.get('X-RateLimit-Remaining')
        if remaining == '0':
            reset_time = int(response.headers.get('X-RateLimit-Reset', 0))
            wait_time = max(reset_time - time.time(), 0)
            time.sleep(wait_time)
            return True  # Retry needed
    elif response.status_code == 404:
        raise ResourceNotFoundError(f"Resource not found: {response.url}")
    elif response.status_code >= 500:
        raise ServerError(f"GitHub server error: {response.status_code}")
    return False  # No retry needed

4.2 ファイルロック機能の追加

class FileLockManager:
    def __init__(self):
        self._locks = {}
        self._lock = threading.Lock()

    def acquire_lock(self, file_path, timeout=30):
        with self._lock:
            if file_path not in self._locks:
                self._locks[file_path] = threading.Lock()
            return self._locks[file_path].acquire(timeout=timeout)

    def release_lock(self, file_path):
        with self._lock:
            if file_path in self._locks:
                self._locks[file_path].release()

4.3 認証情報の安全な管理

from cryptography.fernet import Fernet

class SecureTokenManager:
    def __init__(self):
        self.key = Fernet.generate_key()
        self.cipher_suite = Fernet(self.key)

    def encrypt_token(self, token):
        return self.cipher_suite.encrypt(token.encode())

    def decrypt_token(self, encrypted_token):
        return self.cipher_suite.decrypt(encrypted_token).decode()

最終的なプロジェクト構造

生成・改善後のプロジェクトは以下のような構造を持ちます:

WebDevAgency/
├── BackendDeveloper/
│   ├── tools/
│   │   └── GitHubPullRequestManager.py
├── FrontendDeveloper/
│   ├── tools/
│   │   ├── GitHubBranchManager.py
│   │   └── GitHubPullRequestManager.py
├── ProjectManager/
│   ├── tools/
│   │   ├── GitHubProgressTracker.py
│   │   └── GitHubRepositoryManager.py
├── UIDesigner/
│   ├── tools/
│   │   └── GitHubDesignFileManager.py
├── core/
│   ├── error_handling.py
│   ├── file_lock.py
│   └── security.py
└── agency.py

リポジトリ

GitHub - Sunwood-ai-labs/agency-swarm-WebDevAgency
Contribute to Sunwood-ai-labs/agency-swarm-WebDevAgency development by creating an account on GitHub.

デモ動画

推奨プラクティス

  1. Genesis Agencyの活用

    • 基本構造の迅速な生成に最適
    • カスタマイズや拡張の土台として利用
  2. Roo-Codeとの連携

    • コード生成後の改善に効果的
    • 実装の質を向上させる

まとめ

Genesis AgencyとRoo-Codeを組み合わせることで、AIエージェンシーの迅速な構築と堅牢な実装を実現できました。Genesis Agencyは基本構造の自動生成に優れ、Roo-Codeはその実装を本番環境で使用可能なレベルまで改善する強力なツールとなります。

実際のプロジェクトでは、生成されたコードを出発点として、必要な改善と拡張を加えていくアプローチが推奨されます。これにより、開発の効率化と品質の両立が可能となります。

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